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ブロックチェーンで不動産の土地登記を行っている海外事例を学ぼう

「factom blockchain」の画像検索結果

目次

こんにちは。本日は、ブロックチェーンで不動産の土地登記を行っている海外事例を学びたいと思います。

スウェーデン政府のプロジェクト

スウェーデン政府は土地登記にブロックチェーン技術を導入し、実証実験を開始しています。本格稼働は早くて2019年からとのこと。年間120億円のコストが削減できると見込まれています。開発を共に行うのは、

  • ChromaWay(クローマウェイ)
  • Kairos Future(カイロス・フューチャー)
  • Telia(テリア)

といった企業。このうち、ChromaWay(クローマウェイ)はエストニアのLHV銀行のブロックチェーンプロジェクトにも関わっている。ChromaWay(クローマウェイ)の

Henrik Hjelte氏は

我々は不動産取引を行う技術の構築を行い提供できることを誇りにしている。これは我々が長年待ち望んでいたものだ

と語っています。

ホンジュラス政府のプロジェクト

2015年5月から開始されたホンジュラス政府とFactom(ファクトム)の分散型土地管理システムのプロジェクト。Factom(ファクトム)の他に、Eplgraphが参画しているようです。ちなみに、Factom(ファクトム)は分散型のデータ管理プラットフォームで、あらゆる電子データをブロックチェーン上に記録することが出来ます。ホンジュラス政府の他にも、ウォール街の金融プロバイダー企業であるIntrinioと提携しています。

ちなみに、このプロジェクトについては書籍『ブロックチェーン・レボリューション』に於いても紹介されています。ポイントとしては、

  • ホンジュラスは中央アメリカで2番目に貧しい国で、ひどい所得格差を抱えている
  • アメリカ通商代表部の報告書でも、ホンジュラスの土地登記システムがまったく信頼できないと指摘されている

もしこの取り組みが実現すれば、先進国が使っているような管理システムを飛び越えて、新たな時代の土地管理を実現することになります。ただ、ホンジュラスの政府システムはかなり信頼できないようで、ファクトムのピーター・カービーは以下のように述べています。

ホンジュラスのデータベースは基本的にハックされていると考えてください。役人がデータベースを書き換えてビーチフロントの土地をまんまと手に入れることもできるわけです。

また、ファクトムについては、野口悠紀雄氏のブロックチェーン革命においても言及されています。

Factomがブロックチェーンに記録するのは、Proof of Existenceの場合と同様に、書類やデータのハッシュ値だけである。したがって、機密データが漏れる心配はない。記録には、ファクトイド(Factoid)と呼ばれる専用のトークンが用いられる。2014年11月に公開されたホワイトペーパーで、きわめて興味深いテーマが議論されている。それは、「非存在の証明」だ。すなわち、あるものが「存在しない」という証明だ。

この非存在の証明というのは、法律の分野でも重要であり、所有権の正当性の問題を解決するソリューションと期待されています。

ジョージア(グルジア)政府のプロジェクト

ジョージア共和国でブロックチェーンを土地登記に活用する事例があります。ジョージア政府と提携するのはBitfury。土地の登記から取引までをブロックチェーン上で記録・管理し、将来的には土地の売買、抵当権、公証制度などに活用を拡大するようです。このプロジェクトには、ペルーの著名な経済学者であるエルナンド・ソトも関与しています。同氏いわく、

世界人口73億人のうち、法的に有効な資産を所有しているのはわずか20億人しかいない

とのこと。ちなみに、このBitfuryは2017年4月からウクライナ政府にもブロックチェーン技術を導入していることでも知られている。

ベルギーのLandsteadプロジェクト

NEMブロックチェーンを活用し、土地やその他の資産の登録を政府と市民が利害関係者によって信頼され、共同で作成する点が特徴。ちなみに、NEMと関係が深いテックビューロもベルギー地方独立行政法人であるDigipolisにMijinを提供していました。Digipolisはアントワープ市とゲント市が出資して設立した独立行政法人。

最後に

いかがでしたでしょうか。マッキンゼーのコージック・ラジゴバルは、

所有権の記録は、特許のようなものから不動産まで、もっぱら紙ベースで実施されています。でも紙にこだわる理由はないんです。ただの慣習です。権利とタイミングが関わってくる取引はすべてブロックチェーン化できると考えています。

と述べています。不動産の土地登記システムは、日本においてはあまりユースケースは感じられませんが、不正の多い途上国で始まる可能性があります。